コンピュータによる自動設計に適した、印刷できるソフトアクチュエータとして、パウチモータを新しく提案した。パウチモータは、フィルム素材で作られた1つ以上の機密性のある袋で構成されている。このアクチュエータは、平面的に設計され、「印刷」できる。この特長は、安価なロボットシステムの試作や、大量生産を可能にする。我々は、このアクチュエータの理論モデルを提案し、実験結果と比較した。直動型のパウチモータの収縮率は約28%で、試作したサイズでは供給圧力40kPaで100Nの収縮力を発生することができた。屈曲型のパウチモータの可動角は約80°で、試作では供給圧力20kPaで0.2Nmのトルクを発生することができた。設計に関しては、複数のパウチを接続する管路を自動的に生成するアルゴリズムを提案した。専用のパウチモータプリンタを開発し、設計データをコンピュータ制御で印刷できるようにした。応用例では、12個のパウチモータを備えた5指ハンドを設計した。パウチモータの印刷時間は15分であった。ロボットハンドは、いくつかのジェスチャのほか、軽量なボールやコップを把持することができた。

[1] R. Niiyama, X. Sun, C. Sung, B. An, D. Rus, and S. Kim, “Pouch Motors: Printable Soft Actuators Integrated with Computational Design,” Soft Robotics, vol. 2, no. 2, pp. 59–70, 2015.

[2] R. Niiyama, D. Rus, and S. Kim, “Pouch Motors: Printable/Inflatable Soft Actuators for Robotics,” in IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA), 2014, pp. 6332–6337.